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上顎フルマウスの補綴物の解説
今回は上顎フルマウスの被せ物(補綴物)の説明です。今回の患者様
は上顎の歯をすべて抜歯し7本のインプラントを埋入して12歯のセラ
ミックで製作したインプラントブリッジを装着した口腔内写真です。
従来は12歯はすべてつながっていました。ただ被せ物が欠けた、イン
プラント周囲炎になったなど、長い間にインプラントや被せ物に何か
トラブルが起こらない可能性はゼロではありません。そのためにこの
ような状況になっても対応しやすいようになるべく3つのブリッジに
分けて製作する方法を選択するようになっています。この方法を「
セグメント」と呼ばれています。すべてつながったインプラントブリ
ッジよりインプラントの埋入本数は1~2本多くなります。
次の画像は患者様の口腔内に補綴物を装着する前の状態です。7か所
銀色した尖っている部分がアバットと呼ばれるもので、これはインプラ
ントとかぶせ物をつなげているジョイントとようなものと考えていただ
ければと思います。
12本の歯がありますが、これを前歯と左右の奥歯に分けて制作しま
す。このかぶせ物はすべてスクリューで固定してあります。自身の歯
にかぶせ物を装着するときは必ずセメントを使い接着しますが、イン
プラントのかぶせ物は基本的にはすべてスクリューで固定します。症
例によっては難しい場合にはやむえずセメントで固定することもあり
ます。セメントを使わなくなった理由としては、歯茎の中にセメント
の取り残しがあるとインプラント周囲炎を起こすリスクが高くなるか
らです。またスクリュー固定のほうがセメントが介在しないため、よ
り精度の高い補綴物を装着することができるからです。