チタンインプラントとHAインプラントの違い

記事タイトル

チタンインプラントとHAインプラントの違い

 

このブログではHAインプラントが
1、抜歯即時埋入ができる
2、上顎の薄い骨(1ミリ)でもソケットリフト或はサイナスリフトでも
  同時埋入ができる
3、重度歯周病でも抜歯と同時のインプラントが埋入できる
4、スポンジ状の初期固定の取れないインプラントでもチタンインプラントより
  生存率が優れている
などを示す症例をいろいろと何年もかけてアップしてきました。
ではどうしてチタンインプラントでは治療が困難な症例に
HAインプラントは大丈夫なのでしょうか?
理工学的には
チタンは疎水性、生体不活性、骨伝導性はない
HAは疎水性でも親水性でもある 生体活性 骨伝導性があるなど
ちがいはありますが、
一番大きな違いは
「骨伝導性の有無」と「骨との接触面積の差」です。
この性質によって、チタンインプラントでは困難な症例を
短期間で治療を終えることができるのです。
チタンインプラントもHAインプラントも
顎骨に埋入すると、血液に触れます。
すると血液中のCaイオンやPイオンと反応して
インプラント体表面に石灰化層が
析出します。
その後インプラント体の周りに形成される
新生骨が形成されるリモデリングの過程で
チタンインプラントでは消失し
HAインプラントではHAでも顎骨でもない構造として残り
ヘミデスモゾーム(接着因子)としてHAコーティングと
新生骨の間を隙間無く埋めるのです。
これがチタンインプラントはosseointegrationといわれ
HAインプラントはbiointegrationといわれるものです。
その後HAコーティング層は薄いものであれば
解けてosseointegrationに変化していきます。
チタンの骨との接触面積30〜50%
HAの骨との接触面積  100%
もうひとつの骨伝導性とは
骨欠損部に骨補填材を入れると周りの骨から
骨芽細胞を呼び込み、骨形成の足場となる性質のもので
骨誘導能とは違います。
このような両者の特徴を生かしインプラントを使い分けています。